
本日もお読みくださり、ありがとうございます。
現役看護師で化学物質過敏症のAkariです。
コロナ禍で、必需品となったアルコール消毒。
仕事柄、毎日毎日使用しています。
化学物質過敏症は、アルコールが使用できないという記事をよく目にします。
私自身がいろいろなアルコール製品を使用していく中で、
「コレが入っていると喘息の症状がひどくなる」
「この成分には毒性がある」など、
いろいろな知識と対処法を学びましました。
すべての化学物質過敏症の人に、合うわけではありませんが、
アルコール消毒を見分けていくポイントを解説していきます。
さ
アルコール消毒って何?
まずは、この記事を読んでいただく大前提をお話します。
消毒用アルコールって何?
消毒用アルコールにはいろいろな種類がありますが、
その中で消毒に使用しているアルコールの種類は「エタノール」です。
パッケージには消毒用アルコールと記載されていても、
実際には日本薬局方で「消毒用エタノール」が入っていると規定されています。
実は、アルコール消毒にはアルコール以外のものがはいっていたり、
消毒用○○と書いている場合には、アルコールではない成分が
いろいろと入っているって知っていましたか?
大きく分けて3つに分類されるアルコール製品
それでは、一般的に消毒薬として使用されている「アルコール」ですが、
・エタノールしか含まれていない商品
・エタノールとイソプロパノールが含まれている商品
・エタノールなどの消毒成分と、そのほかの添加物が含まれている製品
の、3つにわけることができます。
それでは、一つ一つ解説していきましょう。
エタノールしか含まれていない商品
エタノールしか含まれていないといっても、原液ではありません。
消毒に効果的な濃度に希釈されている、消毒用エタノールが手指消毒には適しています。
原液のものは濃度が濃いため、すぐに蒸発してしまうので、
十分な消毒効果を得られませんし、肌がたいへん荒れやすくなります。
消毒用エタノールは以下のようなパッケージで、
お値段としては500mlあたり、1000円程度です。
が、いまだ一般的には購入が難しい状態が続いています。

大好きなケンエー製薬さんの純正の商品は、
コロナが流行ってから一度も見たことがありません…
消毒用エタノールを作るそれ以外の企業さんの物でまかなっています。
エタノールとイソプロパノールが含まれている商品
エタノールにイソプロパノールを入れた製品です。
消毒用エタノールIP もしくは IPAと記載されています。
細かくなるので、少し端折って説明しますが、
エタノールだけだとお値段が高くなってしまうので、
工業用であるIP・IPAを少し混ぜています。
消毒用エタノールよりもお値段は安くなるのが魅力的ですが、
IP・IPAは揮発性が高く、吸入により呼吸器系に刺激症状が出るのと
エタノールだけの物よりも毒性が2倍になります。
そのため、化学物質過敏症の患者さんにはお勧めできません。
消毒用エタノールと消毒用エタノールIPの違い [インフルエンザ] | 健栄生活 (kenei-pharm.com)
エタノールなどの消毒成分と、そのほかの添加物が含まれている製品
皆様がよく手にされる消毒薬は一体どんな成分が入っているのでしょうか?
アルコール消毒だと思っているもの。
エタノールが主成分だと思っているもの。
なんかよくわからないけれど、使っているもの。
いろいろな消毒薬があるとは思います。
みなさんの手元にある、商品の裏側を見てください。
ビオレu 薬用手指の消毒液にはエタノール以外に
ベンザルコニュウム・中鎖脂肪酸トリグリセリド・乳酸Na・グリセリンが含まれています。
パストリーゼには、アルコール・グリセリン脂肪酸エステル・
ショ糖脂肪酸エステル・乳酸ナトリウム・緑茶抽出物が入っています。
ウエルパスは病院でよく使用される手指消毒ですが、
塩化ベンザルコニウム・プロピレングリコール・ミリスチン酸イソプロピルなどが入っています。

実はエタノールやアルコール以外にも
消毒薬や添加物がたくさん入っているのです。

このように『アルコール消毒』だと思って使用していても、
いろいろなものが入っていて、
その物質による症状が引き起こされている・・・という事もあるのです。

私はパストリーゼは、くしゃみが止まらなくなります。
塩化ベンザルコニウム含有製品も、くしゃみ・涙・あくびが出ますので、
職場での使用を避けています。
環境での暴露にも十分に注意しています。
それでも消毒が必要な2021年におすすめするもの
コロナ禍で消毒することはやめられません。
そんな方のために、Akariがおすすめするものをご紹介していきます。
ほんとうにアルコール(エタノール)アレルギーか見極める
Akariがそうであったように、アルコールアレルギーだと思っていたら
他の成分だったということもありえます。
そのため、先述しました
消毒用エタノール = エタノールしか含有されていない商品を
使用してみることを推奨します。
これを試してみることで、実際にエタノールにアレルギーがあるかがわかります。
使用の際の注意点として、
①目の前や顔の高さで噴霧しない
(手に刷り込む場合は、胸よりも低い位置で、体の横で刷り込む)
②噴霧した瞬間に、息を吸わない
③密閉した空間での使用を避ける ことが重要です
体調や過敏度により重篤な化学物質過敏症症状を呈することがありますので
それに対する対策も必要ですね。
エタノールに反応しなかった場合は、このまま消毒用エタノールを使用することをおすすめします。
エタノールに反応する場合は…
・塩化ベンザルコニウムなどの他の消毒薬を主成分とする消毒薬を使用する
などの代替策があります。
その際もできるだけ鑑別したい成分のみが含まれている、
添加物の少ない製剤の使用から始めてみましょう。
そうすることで、自分が反応する商品を見極めることができます。
まとめ
・消毒薬にもいろいろな種類があります。
・消毒用アルコールといっても、アルコール以外のものが含まれていることがあります。
・使用する場合には、揮発成分を過剰に吸い込まないようにすることも大切です。