化学物質過敏症と医療費

化学物質過敏症
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化学物質過敏症患者はどれくらいの医療費がかかるのでしょうか?

病院がみつかって、実際に診察してもらえる…となったときに、心配になりますよね。

ここでは医療費制度について解説していくとともに、実際に患者になってかかった費用、

そして、他の患者さんからの情報をまとめてみました。

医療金融保険 - 医療費 ストックフォトと画像

最低限必要な医療費は?

保険診療

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医療は医療費とよく言われますが、診療報酬点数という厚生労働省が決めた指針にしたがって、病院での診療のすべてに値段が決められていて、行った医療にたいして患者側が支払うものです。

基本的に健康保険が適応されますので、まずは健康保険が適応される医療費から説明していきます。

医療費で最低限支払う必要のあるお金は『初診料』もしくは『再診料』です。

まず、初診とは、その症状やケガで初めて受診した際の診察のこと。その症状やケガの診察の間は最初の1回のみ初診料が加算されます。

再診とは、初診後、2回目以降の診察のことで、治療が終了するまでは、受診のたび再診料が算定されます。

そのため、1回目に診察をしてもらった時には初診料がかかり、それ以降は再診料が必要となります。

▶初診料:288点 (2,880円) 健康保険の3割負担で860円

▶再診料:73点    (730円) 健康保険の3割負担で220円

実際の窓口負担額は患者の健康保険の負担割合で変わってきます。

内服薬の処方や採血・注射がある場合は、処方料や処置料・薬剤料・手技料などの項目で、保険点数が加算され金額が変わってきます。

内服薬は院外処方箋であることが多く、院外薬局の場合は調剤料なども必要になります。

自費・自由診療

自費・自由診療といわれるものは、診療報酬上算定が認められていなかったり、患者の病名としては診療報酬を計算できなかったりなどの、いろいろな理由で、その金額の全額を自己負担する必要があります。

化学物質過敏症の場合は、神経系の検査や一部採血で保険診療が適応外となってしまう検査があります。

病院側はこういった診療や検査を患者への説明と同意なく、実施してはいけない事になっていますので、必ず診察時に説明があります。

東京都杉並区の『そよ風クリニック』の場合、初診時には確定診断のために数種類の検査を行うとのことで、自費診療となり1万5000円から2万円程度の費用が必要の様です。

そよ風クリニックへ行ってみよう 予約~受診まで

※それ以外の病院での自費診療の情報がありましたらお寄せください。

それ以上にかかるものは…

化学物質過敏症患者の場合、自宅の近く・行動範囲内にかかりつけ病院が見つけられることは困難です。そのため医療費よりも交通費がかかってしまい、大きな経済的負担になってしまうことが問題です。

経済的な負担が続くことが継続的な受診を困難にしていると、私自身も強く感じています。私も都内にいながらかかりつけ医は宮城県のため、片道14000円くらいかけて受診しています。高収入ではないので、数か月に1回くらいしか行けないのが悩みですね…

現在の医療の問題点

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診察にかかる、初診料・再診料の算定は『3分診療』でも『30分』でも、保険点数には変わりがないため患者の窓口負担と病院が得られる収入には差が出ません。

現状では、化学物質過敏症患者を診察したからといって、特別に診療報酬加算がとれる訳ではありません。

精神疾患の特定の病名の場合には診察時間によって診療報酬も変わってきますが、そういったこともありません。

化学物質過敏症患者は丁寧な問診と生活指導に時間を要し、患者が受診するための環境の整備や維持にお金がかかるため、いわゆる『儲からない』『経営が成り立たない』診療科でもあります。

そのため収入にならないので採算がとれず、新しい医者や看護師が育ちにくく、診療してくれる施設が増えていかないという現状もあります。

病院がどんどん閉鎖してしまうのもこういった影響があるのでしょう。

また、他の疾患と大きく違うのは、化学物質過敏症は手術や薬などでよくなるものではなおいということです。

現代医療では薬や処置で収入を得るという側面があるため、それとは異なった治療スタイルである化学物質過敏症は収入を得にくくなっています。

化学物質過敏症という病気の大きな特徴でもありますが、患者はなかなか外に出られなかったり、公共交通機関を利用できなくて、継続受診が困難になってしまうということもあります。

私が感じていること

実際に化学物質過敏症になって感じる事は、一回の受診で病気が劇的によくなる訳ではないことです。

病名や対処法がわかって、すこしは生きやすくはなるかもしれませんが、患者の理解と努力、周囲の理解があって病状を安定させ完解を目指す病気です。

診察にかかる医療費は少額ですが、それ以外に必要なお金が本当にたくさんかかるので、社会的に医療費サポートや公的な補助があると本当にありがたいなぁと思っています。

今年ははじめて、医療費申告をしようと思っていますので、その経過や結果をこのサイトで報告できればと思っています。

おたのしみに!

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